サラリーマンの生活防衛資金を見直す

2019年5月1日

投資

生活防衛資金。これまでは、深い理由なく年収の6ヶ月を目処に銀行預金に残していましたが、サラリーマンが享受している社会保障を考え、年収の2ヶ月に見直しを行いました。


サラリーマンに必要な生活防衛資金

生活防衛資金にはいろいろな考え方があり、その人の属性によって必要な額が異なりますが、私は「不測の事態により給与所得が1年途絶えても生活できる資金」と考えています。これをシンプルに考えると「1年分の生活費+住民税額」か「1年分の年収」となりますが、サラリーマンにはいくつかの社会保証がありますので、この分を差し引いて考えることができます。

サラリーマンが享受できる社会保障には以下のものがあります。

  • 健康保険から傷病手当金
    標準報酬日額の2/3に相当する額を1.5年に渡り受け取り可能。
  • 雇用保険から失業給付金
    雇用保険の加入期間、年齢、賃金日額、退職理由によりますが、私の場合は一番悪い条件でも約23万/月を半年間ほど受給可能です。

また私の会社では福利厚生として団体就業不能保険に加入しており、以下の補償を受けることができます。

  • 団体就業不能保険から給付金
    傷病で退職となった場合でも、給与所得の80%を寛解と診断されるまで受け取り可能です。

この内容を考えると傷病に対する保証は十分で😀、失業給付金は少し不足する感じになっていますので、その部分を自己資金で手当てできれば良いことになります。


サラリーマンに必要な生活防衛資金

生活防衛資金は、消費支出と余裕資金で構成されますので、まずは自身の消費支出を把握する必要があります。もし自分の支出を把握していない人は、総務省統計局の統計の消費支出から概算すると良いかもしれません。


平均34歳以下35~59歳60歳以上65歳以上
2018年
162,833
164,807
182,207
152,792
152,791
2017年
161,623
155,808
192,311
148,358
146,594
2016年
158,911
150,625
183,106
149,552
147,052
2015年
160,057
168,351
177,085
148,890
146,979

この消費支出は、地域、世帯人数、勤労世帯などによって大きく異なっています。たとえば、単身世帯の全国平均の消費支出(2018年)は、上の表の通り16万円/月ですが、これを関東地方の勤労単身世帯にすると18.8万円/月です。残念ながら東京都内に限定した統計はありませんが、20万円/月を超えるのではないでしょうか。

なお余裕資金は消費支出に比例すると考え、「生活防衛資金 = 消費支出 × 1.2 × 12ヶ月」で計算をすることにします(これが正しいかは分かりません💦)。これで生活防衛資金を計算すると次の通りです。

  • 東京都内の勤労単身世帯 = 24万円 × 12ヶ月 = 288万円
  • 関東地方の勤労単身世帯 = 22.56万円 × 12ヶ月 = 270.72万円
  • 全国平均の勤労単身世帯 = 19.2万円 × 12ヶ月 = 230.4万円

単身者の生活防衛資金は意外に少ないですね。さらに生活防衛資金の一部は社会保障でカバーされますので、自分で用意する必要のある資金は「生活防衛資金 × 12ヶ月 - 社会保障費 × 支給月数」となり、もっと少なくなります。


私に必要な生活防衛資金

この計算式で私の生活防衛資金と自己資金を計算します。

私の平均消費支出は、ここ3ヶ月の実績値で13万円/月でした。また失業給付金を23万円 × 6ヶ月、138万円を受給できますので、これを元に計算すると次の通りです。

  • 生活防衛資金 = 15.6万円 × 12ヶ月 = 187.2万円
  • 自分で用意する資金 = 187.2万円 - 138万円 = 49.2万円

すると自己資金として準備する必要のある額は約50万円でした。仮に東京都内の勤労単身世帯の平均で計算をしても、必要な自己資金は150万です。やはり社会保障や福利厚生で守られている私には、年収の6ヶ月の生活防衛資金は多すぎでした😅

これまでは年収の約6ヶ月として500万円を用意していましたが、実際にはその1/10で済みそうです。とは言っても、いきなり50万円にするというのも不安がありますので、今回は年収の2ヶ月として160万円を自己資金として残すことにしました。


まとめ

これまでは不安を理由に、必要以上に多くの資金を拘束していましたが、生活防衛資金を年収の2ヶ月に圧縮することで、340万円の余裕資金を生み出すことができました。

誤解のないように書いておくと、預貯金として2ヶ月分あれば十分という話ではなく、日々の生活資金や投資資金の外枠として、年収の2ヶ月分があれば良いと言う意味です😀
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