オルタナティブ投資の投資信託に投資して後悔していること

2019年5月5日

投資

2000年代に一度注目されたオルタナティブ投資ですが、2010年代の終わりに来て再度耳にすること増えてきたように思います。私は、2007年にサテライトの位置付けでオルタナティブ投資を戦略とする投資信託を買付し、いまだに後悔しつつ保有しています💦


オルタナティブ投資とは


オルタナティブ投資とは、伝統的資産である上場株式、債券以外を投資対象とするものです。具体的には、プライベート・エクイティ、商品、不動産、インフラ、デリバティブなどへの投資です。

つまりオルタナティブ投資の投資信託と言っても、どの原資産を投資対象とするかによってその性格は大きく異なりますので、これを正しく理解することが大切です。


オルタナティブ投資の投資信託に期待したこと

当時の私が考えていたこと、それは通常の株式価格との連動性の低い資産に投資することによるリスク分散でした。しかし、私が買付をした投資信託のオルタナティブ戦略は、「ヘッジファンド」と「プライベート・エクイティファンド」にハイブリッド投資を行うものでした。

一般的に、ヘッジファンドやプライベート・エクイティファンドは、株式投資でより高いアップサイドを目指すものです。これでは、目的である株式投資を補完することができていないばかりか、より株式投資の影響を強く受ける投資になってしまっています😓


オルタナティブ投資の投資信託の問題

それでも投資信託で利益が出ていれば後悔はありませんが、この投資信託は収益を出せる見込みがほとんどなく、さらには解約も難しいという問題を抱えています。

オルタナティブ投資の投資信託は手数料が高い

収益が出ていない原因は、手数料の高さにあります。

ヘッジファンドやプライベート・エクイティファンドは、元々手数料の高い金融商品ですので、それを原資産とする投資信託のコストも割高に設定されるのは仕方ありません。しかし、この投資信託の手数料は信じられない程に高く設定されています。

  • 申込手数料:1.05%〜2.625%
  • 管理報酬等:1.97%/年
  • 信託財産留保額:2.5%

特に致命的なのは管理報酬等です。この投資信託の信託期間は、2007年から2023年の15年間ですので、管理報酬等だけで29.55%もの手数料を支払うことになります。申込手数料を加えると、最低でも30.60%をコストとして支払います。

実際に2019年1月の運用報告書を確認すると、せっかく上げた収益を管理報酬が食いつぶしていることを確認することができます。

寄与度設定来
プライベート・エクイティファンド3.36%
ヘッジファンド16.5%
信託報酬-28.21%
その他-8.98%
合計-17.79%

しかも、この投資信託には上記の手数料以外に、成功報酬も設定されています👹
どうやっても投資家に利益を出させない意思を感じますね。

ちなみに、この投資信託の販売会社、代行協会員、運用会社は同じ大手ネット証券会社系列です。単純計算すると当該会社は、信託報酬の大半の1.8%/年を受け取っている訳です。


オルタナティブ投資の投資信託は解約が難しい

通常であれば、そんな投資信託であれば解約すれば良いとなりますが、この投信には「解約できるのは毎年5月と11月の2営業日のみ」の制約があるため、解約をすることも難しくなっています。

もちろんヘッジファンドやプライベート・エクイティファンドには、途中解約のペナルティは付き物です。このため、一定のロックアップ期間が設けられることや、信託財産留保額が高くなることは、仕方のないことだと思います。しかし、この商品はリテール向けに販売された投資信託であるにも関わらず、1年に2営業日しか買取を受け付けてくれないのです。これは、解約(買取請求)のハードルが相当に高いですね。


まとめ

投資家寄りと言われるネット証券が手がける投資信託であっても、このようなクソ商品を自社で組成し、平気で販売するのが日本の現状です。つみたてNISAが始まってから、インデックス投信は改善されてきていますが、その他の投資信託は変わっていませんので、投資家は良い商品を見極める目を持つ必要があります。

とは言え、この投資信託は本当に酷いですね。なにも考えずに投資をした当時の自分を正座させて、1時間…いや半日ほど説教したいくらいです。

さすがに酷い商品であると気づいたのか、この商品シリーズは数商品で販売を終了しています。そしてこの件もあり、私はこのネット証券では原則取引することを辞めました。
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