2017年末の確定拠出年金の運用実績を公開

2017年12月30日

iDeCo 運用 確定拠出年金 実績

今回は、確定拠出型年金の実績です。

確定拠出年金を知っている人は多いと思いますが、「会社に導入されているから知っているけど、実際にどの程度の利回りを得られるの」、「個人型確定拠出年金(iDeCo)に興味はあるけど運用ってどうするかわからない」、「純粋に他人の財布の中身を覗いて見たい」とか、いろいろ気になることがありますよね。 私は、他人の財布が気になります。

自分が気になるなら、たぶん他の人も気になっているはずということで、思い切って公開します。



私の確定拠出型年金の状況

現在の資産残高を公開する前に、そもそも私がどのように確定拠出年金を運用してきているかを簡単に説明させてください。

私が確定拠出年金を始めたのは、当時所属していた企業の確定給付年金の一部が企業型確定拠出年金に切り替えになったときからです。 現在は、個人型確定拠出年金(iDeCo)で運用しており、2017年末までの加入実績は次の通りです。
  • 企業型確定拠出年金:60ヶ月
  • 個人型確定拠出年金:120ヶ月
当初は「年金ってまだ先の事だし、運用には興味あるけど難しそう」という思いがあり、元本確保型の商品を中心におすすめ商品を選択して放置していました。 また、iDeCoに移管してからの3年間は、制度の価値を理解せず(^^;)に拠出額を10,000円/月に抑えていました。

企業年金連合会の確定拠出年金に関する実態調査(2016)の結果から見ると、上記のような人は、確定拠出年金の加入者として一般的なプロファイルだったのではないでしょうか?

そんな私が、本格的に確定拠出年金の運用を考えたのは2013年初からです。

確定拠出年金の投資方針

さて、運用を見直すにも目標設定が必要です。 「目標は達成可能な一番高いところに設定する」をモットーにしている私は(もちろん嘘です)、少し背伸びした目標とゴールを設定しました。


「老後資金5,000万円の30%(1,500万円)を確定拠出年金で用意する」


結構高い目標ですね。 この目標から逆算すると、次のような条件で運用することになりました。
  • 2012年末時点での資産残高302万円から運用を開始する
  • 残りの拠出期間は264ヶ月(22年)とし、月々の拠出額23,000円(276,000円/年)を継続する
  • 月利0.28%の複利(年利で約3.4%)で運用する
「年利3.4%!!」は、これまでの運用実績から考えると高い設定ですが、目標のためには達成しなければならないゴールです。 元本確保型の商品だけでは困難ですが、インデックスファンドなどの商品を選択すればなんとかするしかありません。

2013年初にこのような目標を立ててから、本格的に運用を初めて2017年末で5年です。 さて、現在の進捗はどうでしょう?

2017年末の確定拠出年金の資産残高

予定通りに資産が増えていれば、2017年末での資産残高は507万円を超えていなければなりません...いや、是非とも超えていて欲しい。

2013年から2017年の期間は全世界的に右肩上がりでしたので、どの市場に投資しても含み益は出ているはず。 どちらかと言うと、どこまで利益を積み上げることができているかの勝負です。

そしてその成果は、



「2017年末の資産残高657万円!!」



なんと投資方針よりも150万円もの上振れです。☆*:.。. o(≧▽≦)o .。.:*☆

この5年間で合計138万円を追加拠出していますので、投資元本は440万円となり利益が217万円で、年間利回りに直すと約8.34%の好成績です。 この勢いで運用を続けると最終資産残高は3,418万円、簡単に目標達成で老後に余裕がでますね、なんて甘くないですよね。

この好成績の理由は、先に書いた通り強い相場が続いているのでその流れに上手く乗ることができたに尽きます。 目標は上回りましたが、実はこの結果に満足していません。

なぜなら、確定拠出年金で選択できる商品では下落局面で収益をあげることが相対的に難しいのです。 そのため、今回のような上げ相場の中で出来る限り利益を積み上げないと目標の達成が遠のきます。

今の市場環境であれば、資産残高708万円、年間利回り10%まで行きたかったと思っています。

今後の確定拠出年金の投資戦略

さて満足とは言えないものの、それなりの成績を収めた運用ですが、毎月のようにスイッチングをしてキャピタルゲインを確保した訳ではありません。 累積投資と複利効果を最大限に活かすため、


「リスクをコントロールしながら、原則としてバイ・アンド・ホールド」


普通ですね。 普通すぎて、説明することもありません。 でも、ルールを決めずにこれを判断して運用し続けることは意外に大変です。

たとえば「新興市場インデックスファンドで含み損が出ている」、このような場合はリスクの判断は難しくありません。 一方で「日本市場が好調で予想以上に日本株インデックスファンドの割合が増えた」、このような場合にリスクを感じ取ることができるでしょうか?

予定よりも含み益が出ているんだからリスクはない? いえいえ、リスクとは予測不可能性ですので、含み益が出ている場合にもリスクがあります。 たとえば、

  • 日本株の値動きに依存し過ぎている(アセットバランスが悪い)
  • 将来値上がりを期待できる市場への投資に出遅れているかもしれない(遺失利益)

などなど。 またリスクを認識できたとしても、スイッチングや投資割合をどのように行えば、高値掴みを避けながらアセットバランスを見直すことができるのか、なかなか難しい問題です。

そこで私は、市場環境に合わせたルールを決めて、資産割合や投資割合の見直しを行っています。

確定拠出年金の投資ルール

突然ですが、数年単位の長期投資において、現在の市場を細かく分析してルールを決めることに大きな価値はないと思っています。 数年単位での景気変動を上手く捉えるには、大局的な視点、言い換えるとザックリと適当に市場を見るだけで十分です。 細かい分析をしてしまうと、短期のトレンドに影響を受けすぎてしまい、カーブフィッティングになってしまいがちです。

ルールを決めるにあたり私が見ているのは、「投資先の市場のインデックス(日経225, TOPIX, S&P500, etc)の月足の中値が、この半年間で期待利回りを上回っているか」の1点を基準にしています。 月足の中値を使うのは、ボラティリティの影響を少なくするためですので、中値の代わりに25日移動平均を使っても大差のない結果を得られるはずです。

その結果、今のルールはたった4つです。
  • 利回りが期待の半分以下になっている市場からは撤退して預貯金に戻す(手仕舞いルール)。
  • 日本、日本以外の先進国、新興国で景気の良い市場の株式インデックスに、最大1/4ずつを目処に拠出する(掛金割合のルール)。
  • 好調な市場の資産残高が予定利回りを上回った場合は、含み益を利益確定して売りのみリバランスを実施する(利益確定とアセットリバランスのルール)。
  • 預貯金で1/4 を目安とし、これを超えた部分はスイッチングで、ディフェンシブに強いコモディティを原資産とするインデックスファンドに投資する(将来の景気後退に向けてのルール)。
投資先に保険商品が含まれていないのは、保険は定期性商品であることが多いため、満期未満でスイッチングを行うと予定利回りを得られないことが多いためです。 確定した利益をリスク資産に再投資しない場合は、保険商品を候補にするのが良いかもしれません。

確定拠出年金の投資配分

では、現在の資産割合と拠出金の掛金割合はどうなっているんでしょう。
  • 掛金割合
    • 日本株インデクスファンド30%
    • 先進国株式インデックスファンド30%
    • 新興国株インデックスファンド20%
    • 純金ファンド20%
  • 資産割合
    • 預貯金26.3%
    • 日本株インデクスファンド5.6%
    • 先進国株式インデックスファンド37.7%
    • 新興国株インデックスファンド29%
    • 純金ファンド1.4%
「おい、ぜんぜん投資戦略を守ってないじゃないか」という声が聞こえてきそうです。

えぇ、もちろん言い訳はあるんです。 iDeCo以外の投資で日本株を長期保有しているので資産割合を減らしているとか、しばらくは先進国株式の上昇が続きそうなので、資産割合と掛金割合を少し多めにしているだとか。 はいはい知っていますよ、投資の鉄則はルールを守ることだって。

でもね、半年に1回ポジション調整する程度の運用なんだから、大きな方向性が合っていれば、そこまで厳密に考えなくても良いって思うんです。

今後の見通し

世界的に大きな動きがない限り、2018年は株式インデックスファンド中心の方針を継続しようと考えています。

2019年に向けての戦略では、日本株インデックスファンドは2019年4月以降は掛金割合を減らす方向で考えています。 ただ、ここで日本株インデックスファンドの資産割合を変更するかは、その時の日本市場の環境を見ながら判断です。

そして、2020年末までにコモディティインデックスの資産割合を増やして、ディフェンシブなポートフォリオを意識したアセットアロケーションにできれば良いかなと思っています。

まとめ

  • 積立投資と複利効果で年間利回り8%は達成可能
  • 実際の運用は半年単位で行えば十分
  • ルールは市場環境に合わせて見直す
大きな方針を立ててルールを守るだけでも、投資成績は目に見えて改善することができます。 みなさんも難しく考えず、運用にチャレンジしてはいかがでしょうか。



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